都会居住と地域活性の二面性 ── メリット篇
消費の幸せは都会にしかない。45 万社の企業、難関大学、芸能、高い年収、コンビニ、美術展、ブランド、ミシュラン ── 都会一極集中の論理をデータと共に描く。
連載 2/4。1/4 背景篇 の続きです。
「都会には地方にない選択肢と消費の幸せがある」── この前提から見ると、都会居住 には人生を豊かにするための大きなメリットがあります。
簡単に言えば、就職・進学・娯楽・買い物・食事・人との出会い、どれをとっても都会の方が圧倒的に選択肢が多い。都会に住むことは多くの方にとって憧れ であったり、もしくは 都会に慣れてもはや離れられないほど依存してしまっている ── これが賛成派の出発点です。ただしお金が無ければ十分にサービスを受けられない、という条件付きの世界でもあります。
仕事と学校と芸能 ── チャンスの数そのものが違う
まず、就職・進学の入口の数が違います。

出典: 都道府県・大都市別企業数、常用雇用者数、従業者数(中小企業庁)
東京には 2014 年時点で 45 万社 もの企業があるとされます。求人の母数そのものが地方とは桁違いで、職種の多様性も都会に強く偏ります。

出典: 1 位は 137 校、最下位は 2 校! 大学の数が多い&少ない都道府県ランキング!(マイナビ)
大学の数も大きな差です。1 位の都道府県は 137 校、最下位は 2 校。難関私立・国立も東京に集中しているとされます。進学先の選択肢そのものが地理的に偏在しているわけです。

出典: 全国芸能プロダクション企業のエリアランキング
芸能界を活躍のチャンスと考えている人にとっても、プロダクションは東京に強く集中しています。夢を職業にするための物理的な距離 がそもそも違います。

出典: 都道府県別の正規職員の平均年収
平均年収も都会で高い傾向にあります。物価の違いはあれど、額面ベースでこれだけの差があります。
良い商品とサービスが集まる ── コンビニ・美術・ブランド・ミシュラン
続いて、生活の質に直結する商品とサービスの集積です。

出典: コンビニ上位 7 チェーン店舗数合計(2016 年 3 月末)
東京ではコンビニには 歩いていく感覚 です。徒歩圏に複数の選択肢がある密度は、地方では再現が難しい都市の便利さです。

出典: 【レポート】2015 年美術展入場者数 BEST20
美術展の入場者数 BEST20 を見ると、上位 3 つは全て東京開催、上位 10 位までで 3 つが京都、残りは東京です。一級の文化に触れる機会は都市に偏ります。

出典: ルイヴィトンの全国の店舗数
高級ブランドも東京に集まります。「本物を手に取れる距離に住む」という体験そのものが、都会の特権です。

出典: 『ミシュランガイド』日本版 全レストランデータ
東京には 2016 年で 三ツ星のレストランが 13 店 あるとされます。世界基準で見ても、これだけ高評価の店が集中する都市は限られます。

出典: 世界の都市総合力ランキング(GPCI)2015
経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセスで見ると 東京は世界 4 位。グローバル都市として、ロンドン・ニューヨーク・パリと並ぶポジションにあります。
選択肢の多さは、価値観の多様さを生む

出典: 【データ】若者まるわかりクラスター:10 人 10 色のワカモンたち
調査対象は関東 1 都 6 県で東京以外も含まれますが、東京近郊だけでこれだけ 色んな若者のクラスター が存在します。選択肢が多いからこそ、生き方も多様化していくとされます。
地方では「みんな同じ」になりやすい価値観が、都会では「みんな違う」が当たり前になります。これは消費の幸せの裏側にある、もう 1 つの都会の効用です。
賛成派のまとめ
「都会には地方にない選択肢と消費の幸せがある」という前提に立つなら、都会居住のメリットは大きく現れます。
- 仕事・大学・芸能プロダクションが集まり、人生の入口の数そのものが違う
- 平均年収も高く、収入面でも都会に出る合理性がある
- コンビニ・美術展・ブランド・ミシュランまで、質の高い消費が徒歩圏にある
- GPCI で世界 4 位、グローバル都市として戦える立地
- 多様なクラスターが共存し、価値観の自由度が高い
改めて東京を含めた都会の良さが思い返せたかと思います。ただしこれは、「消費と選択肢こそが豊かさ」という前提があってこその話です。その前提が崩れたとき、都会はまったく違う顔を見せ始めます。
→ 次の 3/4: デメリット篇 ── 都会に住むことで失うもの → 連載目次: 1/4 背景篇 ・ 4/4 まとめ篇